ニーズとひらめき【01】部分に分けよう!
今回から、様々な「ひらめきのパターン」をご紹介していきます。
また、ひらめきのパターンがあてはまるニーズ(解決したい課題)も合わせて紹介したいと思います。
1回目は、「ひらめきのパターン【01】部分に分けよう!」です。
大きな塊(かたまり)のままでは問題がある場合は、それを部分に分けていこうという考え方です。
ベースにした発明原理は「発明原理1分割」です。
図1に【01】のイメージ図を示します。このイメージ図では、大きな塊をまず2つに分けます、そしてさらに4つに分けていく様子を示しています。
【01】部分に分けよう!には、次の3つのサブパターンがあります。
- [01a]部分に分けよう!
- [01b]組立てや分解がしやすいように分けよう!
- [01c]さらに細かく分けよう!
3つのサブパターンを、あてはまるニーズ(解決したい課題)と事例イラストを用いて説明します。
あてはまるニーズ(解決したい課題)
表1は、サブパターンと、それがあてはまるニーズ(解決したい課題)の一覧表です。
※ ニーズ(解決したい課題)は代表的なものを示しています。それぞれのサブパターンには、あてはまる別のニーズもありますが、簡単にするため、1つのニーズに絞っています。
[01a]部分に分けよう!
サブパターン[01a]は「部分に分けよう!」です。様々なモノを「部分に分けてみよう」という考え方です。
あてはまるニーズ(解決したい課題)には「コンパクトにしたい」があります。
例えば、以前の携帯電話(ガラケー)では、画面サイズの拡大に対して、本体はコンパクトにしたいというニーズがありました。
それで図2のように、「画面部」と「操作部」に分けることで、折りたたみ可能となりコンパクトになりました。2つの部分に分けることでコンパクトになり、その結果、持ち運びが容易になりました。
[01b]組立てや分解がしやすいように分けよう!
サブパターン[01b]は「組立てや分解がしやすいように分けよう!」です。
[01a]は「部分に分けよう!」でしたが、[01b]は、どうせ分けるなら「組立てや分解がしやすいように分けよう!」というものです。
あてはまるニーズ(解決したい課題)には「使い勝手を良くしたい」があります。
例えば、椅子は休憩する時などは、とてもありがたい物です。でも使わない時は邪魔になります。
使わない時はコンパクトにしたいですよね、どうすれば良いでしょうか?
[01a]部分に分けよう!を使って、座面や背もたれが分割できるようにすればコンパクトにできます。
しかし、使うたびに、毎回(ねじなどで固定して)組み立てるのは大変です。これでは、使い勝手は良くなりません。
そこで[01b]組立てや分解がしやすいように分けよう!が使えます。
図3ように、折りたたみイスは、背もたれ、座面、脚部に分かれています。このように分けることで、収納する時は、折りたたみが簡単になります。また使用する時には、組み立てが簡単にできます。
部分に分ける時は、このように組立てや分解が簡単になるように分けると、使い勝手が良くなります。
[01C]さらに細かく分けよう!
サブパターン[01c]は「さらに細かく分けよう!」です。[01a]で「部分に分けたモノ」を、さらに細かく分けてみようというものです。
あてはまるニーズ(解決したい課題)には「さらに機能を向上したい」があります。
使い捨てのヒゲソリでは「剃り(そり)心地を良くしたい」というニーズに対して、従来の1枚刃を2枚刃にしました。(これは、[01a]部分に分けよう!の適用ですね)
刃の枚数が増えると、1枚の刃にかかる圧力が減ります。その結果、肌への負担が減り、剃り(そり)心地が良くなります。
その後、「さらに機能を向上したい」というニーズが出てきました。どうすれば良いでしょうか?
そこで使える考え方が、[01C]さらに細かく分けよう!です。
2枚刃をさらに細かく分けて3枚刃へ、そして3枚刃をさらに細かく分けて4枚刃にします。図4のように、ヒゲソリの刃を「2枚刃→3枚刃→4枚刃」というように進化させていきました。
刃の枚数がさらに増えると、1枚の刃にかかる圧力がさらに減ります。その結果、肌への負担がさらに減り、剃り(そり)心地もさらに良くなります。
この事例は、[01C]さらに細かく分けよう!をうまく使った例ですね。
他にも(既に分けたモノを)さらに細かく分けることで進化してきたモノが、いろいろとあると思います。このような観点で探してみると面白いと思います。
ひらめきのパターン【01】部分に分けよう!は以上です。
今回は次の事例をご紹介しました。
- 部分に分けることで、コンパクトにした事例
- 組立てや分解がしやすいように分けることで、使い勝手を良くした事例
- さらに細かく分けることで、さらに機能を向上させた事例