ひらめきのパターン

発想の切り口を増やそう!

ニーズとひらめき【07】入れ子の構造にしよう!

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図1.イメージ図【07】入れ子の構造にしよう!

今回の「ひらめきのパターン」は、【07】入れ子の構造にしよう!です。

このパターンがあてはまるニーズ(解決したい課題)もご紹介します。

「【07】入れ子の構造にしよう!」は、複数のモノを「入れ子の構造」にしようという考え方です。

ベースの発明原理は「発明原理7入れ子」です。

複数のモノがあってかさばる(場所をとる)場合は、図1のイメージ図のように「入れ子の構造」にすればコンパクトになります。

【07】入れ子の構造にしよう!には、次の4つのサブパターンがあります。

  • [07a]入れ子の構造にしよう!
  • [07b]複数を入れる構造にしよう!
  • [07c]通り抜けられる構造にしよう!
  • [07d]多層構造にしよう!

このサブパターンを、あてはまるニーズ(解決したい課題)と事例イラストを用いて説明します。

あてはまるニーズ(解決したい課題)

表1は、サブパターンと、それがあてはまるニーズ(解決したい課題)の表です。

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表1.サブパターンとニーズ

ニーズ(解決したい課題)は代表的なものを示しています。それぞれのサブパターンには、あてはまる別のニーズもありますが、簡単にするため、1つのニーズに絞っています。

[07a]入れ子の構造にしよう!

サブパターン【07a】は「入れ子の構造にしよう!」です。

あてはまるニーズ(解決したい課題)には「使わない時は邪魔(じゃま)になる」があります。

ボールペンキャップには、次のような機能があります。

  • インクが服などに付くのを防ぐ
  • ペン先を保護する

そのため、ボールペンにはキャップが必要なのですが、「キャップを使わない時(=書いている時)」は邪魔(じゃま)になります。

書く時はキャップを(ペン先の)反対側にかぶせておくこともできますが、そのためには両手を使う必要があるので少し面倒です。

それで、図2のような「ペン先が収納されるボールペン」が誕生しました。このペンはノック操作で、ペン先出入りします。

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図2.ペン先が収納されるボールペン

ペン先を本体(ボールペン)の内部に入れることで、キャップ不要となりました。またペン先の出し入れが、片手で操作できるので便利です。

[07b]複数を入れる構造にしよう!

サブパターン[07b]は「複数を入れる構造にしよう!」です。[07a]では、入れ子の構造にすることを考えましたが、[07b]では、さらに「複数のモノ」を入れる構造にすることを考えます。

あてはまるニーズ(解決したい課題)には「手間(労力、時間など)を減らしたい」があります。

例えば「複数の乗用車を運ぶ」場合、それぞれの乗用車が自走すると、台数分の運転手が必要になり手間(労力)がかかります。

そこで図3のように、複数の乗用車を大型トラックでまとめて運べば、運転手が少数ですみます。

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図3.自動車を運ぶトラック

大型トラックを、複数のモノ(乗用車)を入れる構造にすれば、一度に複数(4台)の乗用車を運ぶことができます。

[07c]通り抜けられる構造にしよう!

サブパターン[07c]は「通り抜けられる構造にしよう!」です。

あてはまるニーズ(解決したい課題)には「使わない時は長さ邪魔になる」があります。
長い物を測るためには、長いものさし(スケール)が必要です。しかし長いものさし(スケール)は、持ち運びには不便です(長さが邪魔になります)。

その場合は、巻き尺が便利です。図4のように、巻き尺では、スケール(直尺)がケースに収納されます。そのために、ケースの穴の中をスケールが通り抜けられる構造になっています。

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図4.巻き尺

長い物の長さを測る時はスケールを引き出して使い、使用後はケースに収納します。こうすることで、長いスケールがコンパクトになり、持ち運びが便利になります。

[07d]多層構造にしよう!

サブパターン【07d】は「多層構造にしよう!」です。

あてはまるニーズ(解決したい課題)には「複数機能を持たせたい」があります。

フライパンには次のような様々な機能が要求されます。

  • 焦げ付きにくい
  • 熱伝導率が高い
  • 保温性が良い

これらの複数の機能を実現するために様々な工夫が行われていますが、その一つに図5のような「表面への多層コーティング」があります。

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図5.フライパンの多層コーティング

コーティングを多層にすることで、様々なメリットを提供するフライパンが売られています。

【07】入れ子の構造にしよう!は以上です。

入れ子の構造にする方法として、あるモノの中に「1つのモノ」を入れたり、「複数のモノ」を入れる方法を考えました。さらに、あるモノの穴の中通り抜けられる構造にすることや、多層構造にすることを考えました。

入れ子にする方法にも、様々な方法があることがご理解いただけたと思います。

次回は、モノに働くを利用することを考えます。