発想の切り口を増やすためのツール【ひらめきのパターン】
発想の切り口を増やすためのツール
発想の切り口を増やすためには、どうすればよいでしょうか?
そのための便利なツール(助けになるもの)があります。
それが、ひらめきのパターンです。
ツールとは、一般的には「道具、工具」といった意味ですが、ここではツールを「何かを行うときに助け(支援)になるもの」という意味で使います。
例えば、1枚の紙を二つに分けたい場合、手でやぶるよりも、ハサミ(という道具)を使う方がきれいに分ける(切る)ことができます。
ハサミはきれいに分ける(切る)ときに「助けになるもの」、つまりツールといえます。何か作業を行うときに、このようなツールがあると大変便利ですね。
ひらめきのパターンは、発想の切り口を増やすための便利なツール(助けになるもの)です。
ひらめきのパターンは「課題を解決する際の、ものの見方や考え方」をパターン化したものです。(詳細は下記の記事をご覧ください)
そのため、様々なパターンがあります。
このブログでは、それらを順にご紹介していきたいと思います。
また、ひらめきのパターンを使って、「発想の切り口を増やす方法」も解説します。
便利なツールも効果(成果)を出すためには、そのツールのことや、使い方を正しく理解する必要があります。
発想の切り口を増やして、新しいアイデアをひらめくという成果を得るために、ひらめきのパターンというツールの内容と、その使い方を正しく理解していただきたいと思います。
と言っても、難しいことはありません。
ひらめきのパターンは「簡単、すぐに使えて、成果を出せる」ツールを目指して作成しました。
簡単で、すぐに使えるツールとして「見れば、わかる!」ことに注力しています。
それでも、ツール内の基本的なルールを知っていただければ、より分かりやすくなると思います。ここでは「基本的なルール」を説明します。
メインパターンとサブパターン
ひらめきのパターンには、表1のようにメインパターンとサブパターンがあります。
(表1には、ひらめきのパターンの「【01】部分に分けよう!」と「【02】分離しよう!」を記載しています。)
メインパターンには【01】、【02】というように、前に【番号】を付けています。
例えば「【01】部分に分けよう!」というように、前に【番号】が付いていれば、これはメインパターンであることを表しています。
またサブパターンには[01a]、[01b]というように、前に[番号+アルファベットの小文字]を付けています。
例えば「[01b]組立てや分解がしやすいように分けよう!」というように、前に[番号+アルファベットの小文字]が付いていれば、これはサブパターンであることを表しています。
ひらめきのパターンは、表2の矢印の向きに進むにつれて具体的になっていきます。
- 右向き矢印では、「メインパターン→サブパターン」と進むにつれて、より具体的になっていきます。
- 下向き矢印では、メインパターンごとに「a→b→c」と進むにつれて、より具体的になっていきます。
表2のように、【01】部分に分けよう!には、次の3つのサブパターンがあります。
- [01a]部分に分けよう!
- [01b]組立てや分解がしやすいように分けよう!
- [01c]さらに細かく分けよう!
ここでの【01】と[01a]は同じ文になっています。
また[01a]→[01b]→[01c]と進めて行くと、次のようになります。
- 最初の[01a]では、まずは分けてみる
- 次の[01b]では、分ける場合には、組立てや分解がしやすいように分けてみる
- 最後の[01c]では、既に分けたモノをさらに細かく分けてみる
このように、「a→b→c」と進むにつれて、より具体的になっていきます。(これは、メインパターンごとの繰り返しになります)
整理しますと、ひらめきのパターンでは、
- 「メインパターン→サブパターン」と進むにつれて、より具体的になっていきます。
- メインパターンごとに「a→b→c」と進むにつれて、より具体的になっていきます。
基本的なルールの説明は以上です。
イメージ図と事例イラスト
次回からは、様々な「ひらめきのパターン」を、図1のようなイメージ図や、図2のような事例イラストを用いて、視覚的にわかりやすく説明していきます。
どうぞ様々な「ひらめきのパターン」をお楽しみください。そして、それらを頭の引き出しにストックされますように。
書籍(Kindle本)のご紹介
自著『ひらめきのパターン集』(Kindle本)では、「ひらめきのパターン」の【01】~【08】を1つのパッケージにしました。
- 青戸けい『【ひらめきのパターン集】知っているだけでも違いがでる「22のパターン」』キンドル本、2019年
この書籍では、ひらめきのパターンを使って、「発想の切り口を増やす方法」を解説しています。
さらに「アイデア発想をステップアップする方法」として、発想の切り口を「徐々に増やしていく」方法も解説しています。
「知っているだけでも違いがでる」ひらめきのパターン集をお楽しみいただければと思います。
◆商品ページ(Amazon)はコチラです
【目次】
第1章 ひらめきのパターン集
第2章 分けてみよう
第3章 変えてみよう
第4章 組み合わせてみよう
第5章 このように使おう!
第6章 知っているだけでも違いがでる
よろしければ、ご参考にしてください。
TRIZの発明原理
TRIZとは
TRIZとは、日本語でいうと「発明問題を解決する理論」となります。つまり「様々な問題を解決するための理論」のことです。
ロシアでつくられた(開発された)理論です。「発明問題を解決する理論」をロシア語で書くと、
Теория(理論)
Решения(解決する)
Изобретательских(発明的)
Задач(問題)
となるそうです。(参考文献(1)より)*1
それぞれの頭文字ТРИЗを英語で表記するとTRIZとなります。それで日本や欧米では、TRIZ(トリーズ)と呼ばれています。
ちなみに上記のロシア語を日本語的に読むと「テオ-リヤ・リシェ-ニヤ・イゾブレタ-テルスキフ・ザダーチ」となるそうです。(参考文献(2)より)*2
TRIZは、旧ソビエト連邦で、ゲンリック・アルトシューラーにより、1940年代に創始されたと言われています。
現代においても、彼の後継者と言われるような方々を中心に、研究・開発が進んでいる(TRIZ流にいうと進化している)理論です。従って、非常に多くの工数(作業に必要な人数と時間)を費やして作り上げられた理論でもあります。
それほどの工数をかけて何をしたかというと、世界中の特許を分析し、工学・科学・数学などにおける優れた解決策を分類・整理したと言われています。
それらの研究の結果、「理想性・矛盾・システム・機能と属性・空間と時間」などの優れた「モノの見方/考え方」が生み出されました。(参考文献(2)より)
発明原理とは
発明原理とは、「様々な問題の解決パターンを整理し、まとめたもの」です。
ゲンリック・アルトシューラ―により開発されました。彼を中心とした研究チームが、世界中の特許を調査した結果、問題の解決方法には、いくつかのパターンがあることを発見しました。
その各パターンに名称をつけ、整理したものが発明原理です。全部で40のパターンがあり、40の発明原理と呼ばれています。(参考文献(1)~(4)より)*3
先人の知恵を集めた発明原理
発明原理は「先人が様々な問題を解決してきた知恵」を集めたものと言えます。
ちなみに自著『発明原理コレクション』(Kindle本)では、発明原理を簡単な表現にしたり、カラーイラストの事例を多く使用して分かりやすく解説しています。(参考文献(5))*4
◆商品ページ(Amazon)はコチラです。
宜しければ、ご参考にしてください。
*1:参考文献(1):ゲンリック・アルトシューラー 『超発明術TRIZ シリーズ1 入門編「原理と概念に見る全体像」』遠藤 敬一、高田 孝夫 訳、日経BP社、1997年
*2:参考文献(2):Darrell Mann 『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』中川 徹 監訳、株式会社創造開発イニシアチブ、2004年
*3:参考文献(3):Darrell Mann, Simon Dewulf, Boris Zlotin, Alla Zusman 『TRIZ 実践と効用 (2) 新版矛盾マトリックス(Matrix2003)(技術一般用)』 中川 徹 訳、株式会社 創造開発イニシアチブ、2005年
参考文献(4):Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』 三菱総合研究所 知識創造研究チーム 訳、日経BP社、2000年
*4:参考文献(5):青戸けい『アイデア発想に役立つ「発明原理コレクション」オールカラーのイラストで分かる!』キンドル本、2018年
ひらめきにパターンはあるか?
ひらめきとは
ひらめきとは何でしょうか?
ひらめきとは、「すばらしいアイデアなどが瞬間的に思い浮かぶこと」です。
では、ひらめきは、どのような時に(状態で)生じるのでしょうか?
一般的には、ひらめきは、次のような時に生じやすいと言われています。
- リラックスしている時
- 何か(ヒントになるもの)を見た時
- 何か(ヒントになること)を聞いた時
このような時に「ひらめきが生じる」、つまり「すばらしいアイデアなどが瞬間的に思い浮かぶ」ことがあると言われています。
しかしそのためには、次のような条件が必要です。
- (解決したい)課題について、常に考えている(考えていた)
そのことについて「常に考えている/考えていた」といった事前の準備が必要です。その事前の準備がある場合にだけ、リラックスした時や、ヒントになるものを見た時、またヒントになることを聞いた時に、ひらめきが生じることがあると思います。
そのため、「何も考えていない/考えていなかった」状態で、いくらリラックスしても、ひらめきが生じることは、ほとんどないと言えます。
ひらめきにパターンはあるか?
ひらめきにパターンなどあるのでしょうか?
普通、ひらめきのパターンというと、「人(の頭脳)が、ひらめく時(状態)のパターン」をイメージされるかも知れません。
例えば、「あることについて、常に一生懸命に考えていて、リラックスした時にひらめく」といった「ひらめき方のパターン」をイメージされるかも知れません。
このような、ひらめき方のパターン以外にも、別の種類のパターンがあります。それは、人の「ものの見方や考え方」のパターンです。
例えば、「携帯電話(ガラケー)をコンパクトにしたい」という課題に対しては、「画面部と操作部に分けて、折りたたみ可能とする」ことで、コンパクトになりました。
この場合は、「分ける(部分に分ける)」というパターンを使っています。大きな塊(かたまり)のままでは使いにくいモノを、分けてみようという考え方です。
このブログでの「ひらめきのパターン」とは、このような「課題を解決する際の、ものの見方や考え方」をパターン化したものです。(※「TRIZの発明原理」がベースになっています。参考文献(1)(2)の「発明原理」を参考にしました。)*1
発明原理は全部で40あります。(発明原理について詳しくは、次の記事をご覧ください。)
その1番目は、「発明原理1分割」です。
ひらめきのパターンでは、それを図のように簡単な言葉で表現します。
さらに上のようなイメージ図を付けてわかりやすくします。
「直感的な理解」を助ける事例イラスト
また、パターンに合わせた事例イラスト(カラー)も用意します。そのイラストが直感的な理解を助けてくれると思います。
下の図は、「部分に分けよう!」の事例イラストです。
様々なひらめきのパターン
本ブログ(ひらめきのパターン)では、上記の形で、様々なひらめきのパターンをご紹介していきたいと思います。
ひらめきのパターンが、発想の切り口を増やすための良いツールとなり、(アイデア発想での)ひらめきを生むことの助けになりましたら幸いです。
はじめまして、青戸けい です
はじめまして、青戸けいです。
ブログの記事を書くのは、今回がはじめてです。
ひらめきのパターンというタイトルのブログを始めたいと思います。
下の図は、そのブログアイコンです。(ひらめきのパターンをヒントにひらめいたようすをイラストにしました)
本ブログ(ひらめきのパターン)では、様々なひらめきのパターンをご紹介していきたいと思います。
コメントなど、いただければうれしく思います。
よろしくお願いします。